歯科医師コラム

歯科医師 【教えて!】退職理由の答え方

キャリア転職の場合、面接時に前職の退職理由を聞かれることが多いと思います。その際にどの程度まで本音で話していいのか、どのような言い方をすればいいのか悩んでしまうところですよね。ここでは相手を貶めることなく、自分の評価も下げない理由を考えてみたいと思います。

 

退職理由の本音

退職理由は人によってそれぞれです。コンサルタントと話をする時は本音で話をされてOKですし、その方が求職者の考え方や悩みが理解できます。以下にこれまで私が聞いた退職理由を一部抜粋してみます。

  • 自費治療を学びたい。
  • 一カ所の医院で数年勤務したので、違うところを経験してみたい。
  • 新卒でも教えますと言われて入職したのに、全く教えてくれない。
  • 院長の性格にムラがあり、パワハラのような態度を取られる。
  • 院長の治療方針についていけない。
  • 求人票に記載されていた内容と全然違った。
  • お給料を下げられた。
  • ドクター業務をさせてもらえない。

転居など個人的理由は別として、以上のような内容が比較的多いようです。

では、面接の際に、前職の退職理由を聞かれた場合、自分が感じている理由をそのまま伝えてもよいのでしょうか?

「ステップアップ転職」の場合の退職理由

  • 自費治療を学びたい
  • 一カ所の医院で数年勤務したので、違うところを経験してみたい。

この2点は、医院に対しての「不満」で転職したいわけではなく、自分自身の「ステップアップ」で転職を希望しているという事になりますので、そのままの気持ちを伝えれば良いのかなと思います。とはいえ、「一つの職場に3~5年以上勤務した場合」が前提になることを覚えていて下さい。

1年くらいで「違うところを経験してみたい」「ステップアップしたい」と言った場合、逆に「移り気な人」だと判断されるかもしれませんし、この人を採用しても1年くらいでまた退職するのかなと懸念されるでしょう。

相手に気を遣い過ぎた半面、自分の価値を落とす

以前このようなことがありました。求職者の本当の退職理由は、「新卒でも教えますと言われて入職したのに、全く教えてくれない。」というものでしたが、面接時に退職理由を聞かれ、前職の歯科医院の悪口を言ってはいけないと考えられ、

「職場に行くと体調が悪くなることが多くなって」

といった言い方をされたのです。

院長が全く教えてくれず、院長のアシスタントばかりする毎日の中で、精神的な事もありだんだん体調が悪くなっていったのかもしれません。決して嘘ではなく、相手を気遣い、自分のせいにしようと思われたのだと思います。(後で確認したら、相手の院長のせいにしたら悪口になるかなと思って自分の体調のせいにしましたと言われていました)

「退職した理由は何ですか?」

    ー「職場に行くと体調が悪くなることが多くなって」

これだけを聞いた院長(面接をしている院長)はどのように感じると思いますか?

おそらく、求職者は「メンタル面で弱い人」と評価されたと思います。もしかしたら、精神的な病気を抱えているのではないかと思われたかもしれません。

相手を思いやるばかりに、自分の価値を下げてしまった例です。

「院長があまり指導してくれない」場合の退職理由

「新卒でも教えますと言われて入職したのに、全く教えてくれない。」とこのままいうのはNGです。

「院長が嘘をついた」「院長が教えてくれない」と言った批判的な言い方だからです。しかし確かに医院によっては若手を育てる風土がない医院もあります。そういった医院を選んでしまった自分のミスだという方向性でお伝えをしてみては如何でしょうか?

例えば・・・

歯科医師10
歯科医師10
「新卒を育てる教育体制はあまりない医院でした。周りの勤務医もみんな経験を重ねて転職してきた人ばかりだという事が入ってからわかりました」

これを聞いた院長(面接している院長)は、「あ、新卒の受け入れ態勢がない医院に入ってしまったんだな。そういう医院では新卒がやっていくのは難しいな」と思ってくれるはずです。転職理由としては正しいものになりますし、逆に退職した医院に対して悪い評価にもなりません。

 

「パワハラ」の場合の退職理由

これは非常に多い退職理由です。そして退職理由としてどのように言えばよいか難しいと言えるでしょう。

求職者は「パワハラをする院長が悪い」というスタンスで話をされるのですが、実は2つの考え方があります。

1. 先生に対してだけでなく、全スタッフが口をそろえて言うくらい、本当に院

  長が気分屋でパワハラをするタイプの場合。

2. 院長にパワハラな態度を取らせてしまう求職者のドクターに何か問題があ

  る場合。

ここは、難しいところですね。正直私にもわかりません。

院長を批判してはいけないという気持ちから、自分を下げて言うと、「この先生本当に治療ができないのではないか?」「何か院長をイライラさせてしまうタイプの人なのではないか?」と矛先は求職者の方に向かってきます。

とはいえ、「院長が気分屋でパワハラなんです!」というような言い方も、求職者自身の評価を下げてしまいます。

 

とはいえ、フワ~とした言い方をすると、相手(面接の院長)に伝わらず、「???」という気分にさせてしまいます。

「院長の性格と自分自身が合わない」

「どうしても院長に言われると自分自身が萎縮してしまう」

といった感じで伝えてみるのは如何でしょうか?

そのあと、もう少し突っ込んで聞いてこられた場合は、

「自分もまだまだ不慣れなのでゆっくり治療していると、やはり院長もイライラされるようで大きな声を出され、それによってまた萎縮してしまって・・・」

というような本音に近づけていくのが良いのではないでしょうか。

 

私的には、完璧にその部分は隠しましょうという考え方ではありません。変に隠すことによって求職者の先生の評価を悪くしてしまったり、逆に「え、そんなことで辞めたの?」と思うようなことになってしまってもいけないからです。

 

じわじわと核心に迫っていったり、こういうことがあったという例を挙げていくと、「そりゃ、まだ経験もないし、出来ないのに、そこを求めてはいけないよね」と共感してもらえるのではないでしょうか?

「院長が気分屋で・・・」

「気分の悪いときはみんなに当たり散らすんです。スタッフも言ってます。」

といった、院長を貶めるような言い方だけはしないように気をつけましょう。

 

「院長の治療方針についていけない」場合の退職理由

院長の治療方針についていけないという退職理由は「あり」ではないでしょうか。ただ、院長と自分の考え方が違うという部分にだけフォーカスするべきであって、院長の治療方針が悪いという批判をしてはいけません。

例えば、「自分はこの算定は如何なものかと思うが院長はこのように算定しろと言う」といった具体的な事柄は控えましょう。これは不正な算定を院長がしていると暗に匂わせる内容だからです。

このような医院の事情を他者に喋ることは求職者の評価を下げます。

あくまでも、自分の考え方と院長の考え方の不一致だけを理由にしましょう。

 

 

「求人票の内容と違った」場合の退職理由

これも良く聞く退職理由です。本当に医院側が虚偽の内容を求人票に記載して人を採用しようとした場合もありますが、単に求職者が思い込んでいた内容と違ったという場合もあります。それを医院側が虚偽の内容を公表していたという悪意を持った言い方をするのは良くありません。「自分が思っていたお給料と違ったためこれでは生活が難しくなってしまうため退職しました」といった具合に、自分が思い込んでいたという風な言い方をするしかないと思います。

ただ、面接の際には、求職者が言う事がすべてだとは院長(面接をする院長)は思っていません。

・ 本当に医院が虚偽の内容を公表していたのかな?

・ ちゃんと確認しなかった本人にも問題があるのではないかな?

・ 条件が違ったという事だけで辞める権利主張型の人なのかな?

と色々考えられています。

せめて、

「一人暮らしなので、このお給料だとどうしてもやっていけないため」

と、やる気はあるし、頑張りたかったけど、現実的な理由から辞めざるを得なかったというような一言を付け加えるのはどうでしょうか?

 

「最初と状況が変わった」場合の退職理由

「お給料を下げられた」「ドクター業務をさせてもらえない」と言った理由を挙げる人もおられます。「医院の患者数が少なくなっているため、お給料を下げられた」と主張される場合もあります。もちろんコロナの状況下でそのような理由も本当なのかもしれませんが、その反面、「本人に問題があるのではないだろうか?」と思わせてしまう事もありますので、気をつけましょう。

「コロナ禍で患者さんが激減してしまい、院長からお給料を下げざるを得なくなったと相談を受けました。それでは生活が成り立たなくなるので、退職することにしました」

「衛生士が数人まとめて辞めてしまいました。その後なかなか補充ができないこともあり、若い女性ドクターが衛生士業務をする状況が続いています。ドクターは数名いるため、院長と二番手ドクターが治療を行い、その下のドクターは衛生士業務を行っています。これが何年も続くようではと思い転職を考えました。」

以上のような言い方は如何でしょうか? これであれば、院長の気持ちもわかるし、求職者のドクターが退職を決めた理由も納得できませんか?

 

「お給料を急に下げられたんです!」というだけでは、それは先生に何か問題があるから下げられたんじゃないの?と思われてしまいます。

 

事実は伝えるけど、言い方を考えて!

悪口を言ってはいけないと心得ている人は、謙虚に時分を落とそうと考えられます。もしくは、「良い歯科医院でした」と隠そうとされます。

しかし聞いている院長(面接をしている院長)は、「良いところなら辞める必要はないのでは???」という気持ちになり、「何か隠しているな」という気持ちになってしまうのです。逆に不信感になってしまうのと、言っていることが良くわからない理解不能と思われる場合もあります。

私は、隠すことはお勧めしません。本当の事を伝えて、自分の考えをわかってもらう事の方が大切です。ただ、「言い方」だけ気をつけましょう。

人を批判、非難するような言い方であったり、自分の考えや権利を主張するような言い方は絶対にしないように気をつけましょう!

 

まとめ

「院長(面接をしている院長)」は「退職した医院の院長」と同じ立場ということもあって、同じような考え方をされる場合もあります。退職した医院・院長の悪口を言う事は逆にあなた(求職者)の価値を下げてしまう事になる可能性もあります。とはいえ、自ら自分が悪いとへりくだる必要もありません。きっちりと真実をお伝えすればいいのですが、言い方にはくれぐれも気をつけるようにしましょう。

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