歯科医師コラム

歯科医師 【教えて!】採用に繋がる履歴書の書き方

履歴書の書き方に関しては、多くのマニュアルが出ていますが、ここでは、「歯科医師の先生が、歯科医院に提出する場合」院長がどういったことに着目しているかをお話させて頂きます。

自己満足の履歴書

自己満足の履歴書が決して素晴らしい履歴書とは言えません。小さい文字でびっしり書かれた自己PR、真面目さはよくわかりますが、 大変読みにくく、さっと読めない履歴書は、「相手のことを考えていない」「自分のことしか考えられない人」という印象を与えてしまいます。 読みやすい字の大きさで、簡潔に、しっかり内容の濃い履歴書に仕上げましょう。

絶対注意すべきポイントはココ

注意して頂きたいのは、履歴書の使い回しや、以前作成した履歴書をそのまま出力してしまう事です。ありえないと思うでしょうが、実は結構指摘されることが多い事例です。「日付」「年齢」「通勤時間」の欄は要注意です。うっかりと見落として、変更せずに出力してしまう事が多いので、必ず確認するようにして下さい。

空欄だらけの履歴書はやる気なし

面接を受ける心意気は履歴書にしっかり現れます。名前などの個人情報と経歴だけで、裏面は何も記入していない履歴書を提出する人がいます。 「自分はこういう者です」という意味で履歴書を提出されているのだと思います。この行動は一体何を意味しているのでしょうか?

『面接を受けに来ました。自分はこういう者です。何なりと質問して下さい。』

という事でしょうか? 受けた院長はどう感じると思いますか?おそらく何も感じないでしょう。もし意地悪な院長がいたら、「はい、それで?何でしょうか?何の御用でしょうか?」と言われるかもしれないですね。

「この歯科医院で勤務をしたいので、是非採用して下さい。」という気持ちはどこにも載っていないのが、この履歴書です。

表面はもちろんですが、裏面までしっかり書きこまれた履歴書を持ってきた求職者と、空白だらけの履歴書を持ってきた求職者とでは、あなたが院長ならどちらを採用しますか? 前者であることはまちがいないですよね。

 

履歴書で何を見ているの?

顔写真

添付の顔写真はしっかり見られています。

・ 顔が大きく写りすぎて頭の部分が切れている。

・ あまりにも暗い表情で写っている。

・ スーツ着用ではなく、お買い物ついでに撮ったような写真

・ ネクタイが曲がっている。

こういった指摘を受けたことがあります。

顔写真は本人かどうかの確認のためではありません。ここで何を見られているか・・・ズバリ「人間性」です。このような写真でも添付してしまう人間性が指摘されているのです。

「ま、これでもいいか!」という思いが、すべてを台無しにしてしまいます。就職したいと思い、時間を作って、面接に行くのですから、たった一枚の写真も大切にしましょう。

経歴

経歴で院長は何を見ていると思われますか? 履歴書を見ながら院長が質問する内容も併せて見ていきましょう。

・ どこの歯科大学を卒業しているか。

・ 浪人・留年・国試浪人をしているか。

・ これまで勤務してきた歯科医院の場所

・ これまで勤務されてきた歯科医院の規模

・ 何年勤務していたか

・ 転職の回数

・ 勤務継続の期間

以上のような事を知るために経歴の部分を見られています。

どこの歯科大学を卒業しているか

学歴に関しては、「高校卒業」から記載することをお勧めします。それ以前を記載してもあまり必要はありません。高校卒業と歯科大入学の年月を見れば「浪人」の有無がわかります。また、一旦違う学部に行かれた場合なども記載するようにしましょう。現在の居住地や歯科大の場所では、本当に育ってきた場所というのがわかりづらい部分があります。そういう意味で「高校名」を見て、「先生は○○県出身なんですか?」といった話になることが多いです。

浪人・留年・国試浪人をしているか

「浪人・留年・国試浪人」の有無を指摘されることは多いですが、それによって心象が悪くなることはほとんどありません。逆に、人間として「挫折を味わった経験」というのはプラスに働く方が多いように思います。とはいえ、あまりにも極端に長い期間となると、気にされる院長もおられます。とはいえ、嘘をつくことは出来ませんので、正直に記載するしかない部分です。

これまで勤務してきた歯科医院の場所

場所を気にされるのは、院長が自分の歯科医院と関係がないかという事のチェックです。知り合いの先生であったり、近隣の場所であればやはり不具合が生じる場合もあるからです。

履歴書に歯科医院を記載する際は、正式名称(医療法人名)を記載するようにしましょう。歯科医院名の後ろに( )書きで地域を記載される先生もおられます。院長が何を知りたいと思われているかを理解した心ある履歴書だという印象を持ってもらえるかもしれません。

また、オフィス街にある歯科医院で長く勤務されていた場合は、高齢者や小児などの治療をあまりされていないのかなという判断材料にもなります。

これまで勤務されてきた歯科医院の規模

これまで勤務されてきた歯科医院の規模を知るためにチェア数やドクター・スタッフの人数を確認されることも多いです。たまに医院名の後ろに( )書きでチェア数を記載される方もおられます。履歴書にそういった事を書くことが正しい書き方ではないですが、わかりやすいという面ではOKなのかなと思います。

何年勤務していたか

転職の回数

勤務継続の期間

院長が履歴書を確認する上で最も重要なポイントです。ここをチェックしながら「退職の理由」を確認されます。年月もあいまいになりがちですが、空白の期間が空いていると、そこもチェックされますので、丁寧に記入しましょう。

 

勤務経歴の記載方法

「入職・退職」という順番で記載していくのが正しい書き方ですが、歯科医師の場合よくあるのですが、入職・退職・入職・退職の順番にならない場合があります。非常勤勤務で勤務継続のまま、違う医院の非常勤でも勤務を開始した場合などです。

A医院 入職

B医院 入職

A医院 退職

C医院 入職

D医院 入職

C医院 退職

時系列で記載するとこのようになってしまいます。結果的にB医院とD医院はまだ現在も勤務しているというようなことがあります。院長の頭のなかは「???」となってしまうので、B医院とD医院の後ろに(勤務継続中)という一言添えられていたら、相手の事を思いやれる親切な履歴書になるのではないでしょうか?

免許・資格

歯科医師免許取得の年月日は必須です。その他、歯科医師に関連するものを記載することをお薦めします。一見歯科医師としての仕事とは関係のない資格を記載されている方がおられますが、何でも書けばいいというものではないことは理解しておきましょう。例えば、

自動車免許 通勤の際に車での通勤は可能なのか、また訪問診療の際に運転することは可能かどうかを確認するための大きなポイントとなります。逆に言えば、記入しているけれどペーパードライバーで運転は出来ませんという方もよくおられます。それであればあまり記入する必要が無いのかなとも思います。
介護ヘルパー資格 介護ヘルパーの資格は訪問診療などをしている医院では、プラスになる資格だと思います。


余談ですが、以前、「剣道5段」という歯科医師の方がおられ、それを記載されていました。全く無関係のものなので、本来なら記載する必要もないものなのですが、これはかなり素晴らしい段位らしく、このことで医院の理事長と話に花が咲いたという事もありました。こういった内容のものであれば、また自身の人生を表すようなものであれば記載するのも良いと思います。

通勤時間・扶養家族・配偶者の有無

小さなスペースですが、結構需要な所です。家から勤務を希望している医院までの通勤時間を調べて記入しましょう「ここまでどのくらいかかりますか?」と聞かれる院長は多いです。やはり通勤時間がかかりすぎると勤務の継続は難しいのではないかと判断される場合もありますが、そういった基準のためにもチェックされる項目です。

扶養家族や配偶者の有無もしっかり記入して下さい。配偶者の有無に関しては、やはりそれによって勤務時間などに影響が出る場合もありますので、院長もしっかり確認されます。

 

志望の動機

「志望の動機」欄は必須ですが、意外にも空白のまま提出する人が多いようです。ここをしっかり埋めている人はかなり「採用」に近づけるのではないかと思います。でもどういう事を書けばいいのかわからないと言う方も多いでしょう。ここでも院長の立場に立って見ればいいと思います。

院長はたくさん歯科医院がある中で当院を選んでくれた理由を知りたがっています。ホームページで、事前にしっかりチェックをし、医院が一番打ち出したいものは何なのか、自分が転職に求めているものはどういう点で、それがどう合致しているのかを「志望動機」欄に記入しましょう。また自分はどういう経験をしてきたか、今自分にはこういう事が出来るという事をアピールして医院にどのように貢献できるかも記入するといいでしょう。

たとえば、「スキルアップ」や「症例」などに着目して・・・

「貴院はインプラントの症例数が大変多いと知り、インプラントを学びたいという自分の希望と合っていました」

「医院やスタッフの雰囲気」に着目して・・・

「ホームページを拝見させて頂き、明るく活気に満ちた医院の雰囲気に惹かれ、こういう医院で働きたいと思いました」

興味を持っている内容をしっかり記入していれば、院長にも伝わり、その部分について深く話をしてもらえるでしょう。 NG回答は、「家から近い」「終業時間が早い」「紹介会社に提案されて」というものです。このような記入はしないように気をつけて下さい。

希望欄

譲れない希望がある方はしっかり記入しましょう。特に「常勤・非常勤希望」や非常勤の場合は希望の曜日などです。希望のお給料などの記載も良いと思います。

月曜日と金曜日の勤務しか絶対にできないという方であれば、記載しないで、最後の最後に医院の希望の曜日と違ったという事になると意味のない面接になってしまいますので、記載した方が良いと思います。

ただ、「絶対に譲れない」場合だけにしましょう。「できれば土日休みたいけれど、ダメだったらどちらか1日でもいいです」的な希望は記載するべきではありません。

相手を混乱させるような、紛らわしい記入はしないように心がけましょう。

採用に繋がる履歴書の書き方 Q&A

読みやすい履歴書とはどのような特徴がありますか?

自己満足だけの履歴書は読みにくく、相手を考えていない印象を与えます。読みやすい履歴書は文字が適度に大きく、簡潔で内容の濃い書き方をしています。

履歴書の使い回しや以前の履歴書をそのまま出力することに注意すべき理由は何ですか?

日付や年齢、通勤時間などの欄を変更せずに出力してしまうことがあり、不注意による指摘を受ける可能性があるからです。

志望の動機欄に何を書けば良いですか?

医院の特徴や自身のスキルアップ、興味を持っている点などを具体的に記入すると良いでしょう。

経歴の部分で注目されるポイントは何ですか?

卒業大学、浪人・留年・国試浪人の有無、勤務してきた歯科医院の場所と規模、勤務期間などが注目されます。

希望欄に何を記載すべきですか?

常勤・非常勤の希望や勤務曜日など、譲れない希望事項を記載するようにしましょう。出来れば土日は休みたいけど、ダメなら出勤しても良いというような紛らわしい記入は避けるべきです。

 

 

まとめ

いかがでしたか?面接を受ける限りは「採用」してもらいたいですね。一枚の履歴書ですが、この一枚で色々なことが読み取れる大切な書類です。手を抜かずにしっかり準備するようにしましょう。

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