女性歯科医師コラム

女性の歯科医師  【必見!】女性のキャリアプラン

2015年に「女性活躍推進法」が成立し、女性の歯科医師も年々増加しています。また近年「ジェンダー差別」というものが大きく取り上げられており、「女性の歯科医師」という表現もおそらく数年のうちになくなるでしょう。すでに「家事・子育て」は女性だけの仕事ではなくなりつつあります。とはいえ、女性にしかできない「出産」に関しても今後は色々と考えられ、女性がそれによって自分のキャリアを制限されることのない時代が来るでしょう。

 これまでの女性 歯科医師

以前、若い先生から「40代、50代の女性の先生ってお仕事されているんですか?」という質問を受けたことがあります。女性の歯科医師は今ほど人数的に多くなかったということもありますが、治療にずっと携わっておられる方はかなり少ないかもしれません。

結婚を機に家庭に入り、子育てをされていたこともあり、そのまま歯科医師の資格は埋もれていったのではないでしょうか。その後、歯科業界は急激に進歩し、新しい機器なども導入されたため、おそらく現場に戻るのは難しかったと思います。

子育ても一段落し、40代、50代の女性の先生は、訪問診療、小児歯科、健診などをされている方が多いようです。また、御主人が歯科医師で開業をされている方は、御主人の歯科医院で非常勤で治療されている方もおられます。

 

「家庭」と「仕事」を両立する時代

 時代はどんどん変わっていくでしょうが、とはいえ、まだまだ女性が出産・子育てをするというベースは変わらないかもしれません。何より女性がそうしたいと強く願っている部分もあります。

以前、40代の子育て中の先生と話をしたところ、「歯科医師はたくさんいるけれど、息子の母親は私しかいないので・・・」と言われたことが強く心に残っています。

ただ、専業主婦というスタイルは消滅するかもしれません、「家庭」か「仕事」を選ぶ時代ではなく、「家庭」と「仕事」を両立する時代になるでしょう。

では女性にはどういう働き方ができるのでしょうか?

1. 訪問診療

2. 時短勤務の常勤

3. 非常勤

4. 単発の健診アルバイト

訪問診療

訪問診療で働く女性ドクターは多いと思います。何よりも外来診療ほど夜が遅くならないということと、土日が休みというのが最大の特徴です。訪問診療は居宅や施設に行くのですが、施設の場合は、5時ごろには夕食が始まるため、それまでに引き上げる必要があります。基本的には、5時~6時くらいに事務所に戻ってカルテの整理をして終了という形になりますが、歯科医院によっては、ドクターは施設から直接帰ってもOKというところもあります。時間的な面で女性にとっては働きやすいスタイルと言えるでしょう。また訪問診療をしている歯科医院側も高齢者の扱いが上手い女性の方を望まれる場合が多いです。

時短勤務の常勤

歯科医院で外来診療をしながら、17時~18時に終わる時短勤務の常勤を希望される女性ドクターも多いです。

・ 結婚して子供さんがまだおられない方

・ お子さんが小学生・中学生になって少し手を離れてきた方

子供はまだいないけど、17時頃に終わって、夕食の準備をしたいという方や、子供が帰ってくる時間には戻っておきたいという方で仕事をしたい方はこのスタイルを希望されるのですが、正直かなり希少な案件となります。

若い頃から勤務をしていた職場でこのようなスタイルに移行する方はおられるでしょうが、転職でこのスタイルを希望されてもなかなか採用になりにくいのが現状です。

どうしても外来の場合、17時以降に忙しくなるということと、女性スタッフの多い職場だけに、他の人とのバランスを考えて難しいと言われる場合が多いです。

 

週数日の非常勤

色々なスタイルの非常勤がありますが、医院が一番希望されるのは、時短勤務の常勤よりは、週3日でもいいので、勤務の日はフルで入ってほしいと言われます。

逆に小さいお子さんがおられる方にはこちらの方をお勧めすることが多いです。ご主人のお休みを利用して、実家の親や託児所に子供を預けてという形にはなりますが、オンとオフがつけやすい働き方ができますし、雇用する医院側も喜ぶスタイルです。

 

健診アルバイト

健診アルバイトに登録されている方は多いです。健診は治療ではないため、子育てで現場から離れていた方にとっては比較的復帰しやすいというメリットがあります。とはいえ、案件数は決して多くないので、まとまった収入を希望されている方にとっては全く期待できないですし、フットワーク軽く行ける方でないと難しいでしょう。また小さなお子さんがおられる方などは急な発熱時の対策を考えておく必要があります。

女性の開業

最近では、女性の方で開業する方も増えてきています。

ある女性院長は、「結婚したら、妊娠、出産と押し寄せてくるため、勤務医として働きづらくなるのが現状です。開業しておけば勤務医や衛生士に任せて、自分のペースで働くことが出来るので、独身のうちに開業する方がいいかも」と言われていました。

確かに、男性の歯科医師が開業するのは、高齢になった時に自分の歯科医院だったら働けるからという人が多いのですが、それと同じで、女性の場合も開業しておけば色々とやってくるライフイベントも自分のペースで進む事が出来るかもしれません。

姉妹で一緒に開業されている先生もおられますし、ご主人の医院と、自分(女性院長)の医院をまとめて医療法人にされている方もおられます。ただ、分院をどんどん増やしてというスタイルを取っておられる女性院長には私はまだお会いしたことがありません。

 

保険診療 VS 自費診療

女性歯科医師の方で自費診療をメインでしていますという方は、非常に少ないように思います。理由を考えてみたところ、私が考えるに、男性も女性も同じように歯科医師免許を取得し、臨床研修を終えて、勤務をスタートするのですが、最初は基本的に保険診療から始めます。3年ほどして、保険診療が一通りできるようになった段階でセミナーなどに参加をして自費治療を経験し始める方が多いと思うのですが、このあたりで女性の方は結婚・妊娠・出産というライフイベントがくるため、本格的に自費治療を学んで経験するということが出来ないからでしょうか?

また、意識的にも自費治療というイメージを持っておられる方は少なく、一般治療ができるようになったらいいかなという限度を決められている方が多いようにも思います。

しかし、女性だからこそ、自費治療をするべきだと言われる先生もおられます。保険診療だと、短時間で治療をしたり、何列も並行して診なければ成り立たないため、体力勝負になります。そういう意味でも女性の心配りや緻密さ、丁寧さを武器にして自費治療でじっくり診療するスタイルの方が女性には向いているという考え方もあります。

女性のキャリアプラン Q&A

「女性活躍推進法」はどのような影響を女性の歯科医師の増加に与えましたか?

「女性活躍推進法」は女性が働きやすい環境を整備し、キャリアアップを支援する目的で制定されました。これにより、女性の歯科医師の数も増加し、キャリア形成の機会が広がったと言えます。

「家事・子育て」の役割が女性だけのものでなくなってきている理由は何ですか?

社会全体のジェンダー認識の変化、法制度の改革、育児休暇や時短勤務などの柔軟な働き方の普及などがあります。これにより、男性も家庭の役割を担うようになってきました。

女性が出産により自分のキャリアを制限されない時代が来るとはどういう意味ですか?

女性が出産や子育てによってキャリアが制限されない時代とは、出産や育児を行いつつも、仕事を続けることが可能な環境が整う時代を指します。

健診アルバイトが女性歯科医師にとって復帰しやすい理由は何ですか?

健診アルバイトは治療ではなく、定期的な健康チェックを行うため、現場から離れていた女性歯科医師が復職しやすい環境と言えます。また、フレキシブルなスケジュールが可能なためです。

週数日の非常勤の働き方が特に小さいお子さんがいる女性歯科医師に推奨される理由は何ですか?

週数日の非常勤の働き方は、オンとオフの切り替えがしやすいという特徴があります。これにより、子育てをしながらでも一定の勤務を続けることが可能であり、仕事と家庭生活の両立がしやすいためです。

まとめ

如何でしたでしょうか? これからの女性歯科医師がどのように活躍していけばいいのか参考にして頂ければと思います。人それぞれ環境も考え方も違いますので、こういう考え方もあるのだと何かの気づきになれたらと思います。ますます女性が歯科医師として活躍することを願っています。

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