
初めての就職先。
条件を見るたびに「これでいいのかな…」って不安になりますよね。
特に「固定給+歩合」と書かれていても、歩合はまだ実感が湧かない。
だから結局、固定給の数字で選んでしまう。
その判断は自然です。むしろ、当然です。
ただ、後から「聞いてない」「思ってたのと違う」を避けるために、先に押さえるべきポイントがあります。
まずは多くの求人に出てくる、あの言葉から整理します。
目次
なぜ新卒は「固定給」しか見えなくなるのか
歯科医院の求人を見ていると、必ず目にする言葉があります。
「固定給+歩合」「歩合20%」「成果に応じて還元」。
けれど、面接で歩合の説明を受けたとき、
きょとんとしてしまう新卒ドクターは少なくありません。
正直、心の中ではこう思っていませんか?
- 歩合って、結局どういう意味?
- 自分がもらえる未来が想像できない
- 結局、固定給はいくらなんだろう?
だから求人を比べるとき、
無意識に固定給の金額だけを見てしまう。
これは意欲が低いからでも、考えが浅いからでもありません。
新卒ドクターにとって「歩合が分からない」のは、構造的に当然なのです。
新卒ドクターは、これまで
- 自分で患者数をコントロールしたことがない
- 売上や点数を「自分の成果」として見た経験がない
- 1日何人診られるのか、想像すらできない
という状態にいます。
つまり
「売上=自分の行動の結果」
という感覚が、まだ体に入っていません。
この状態で
「歩合20%です」
と言われても、
- 何に対しての20%なのか
- いつ発生するのか
- 自分がそこに到達できるのか
判断材料がありません。
だから新卒は、無意識にこう考えます。
「とりあえず、毎月確実にもらえる金額はいくらか?」
固定給だけを見るのは、逃げでも甘えでもなく、情報が足りない中での、もっとも合理的な判断です。
そもそも「歩合」は新卒向けの制度ではない
歩合とは本来、
売上が立ち始めた人に対して、成果を分配する制度です。
- 売上を作れるようになった
- 行動と結果が結びついている
- 数字の意味が分かっている
この段階に来て、初めて機能します。
新卒ドクターは、まだその手前。
最優先なのは「診療に慣れる」「失敗しない」ことです。
だから
新卒が歩合を理解できないのは正常。
最初から歩合を意識できないのも、当然なのです。
歩合は「最初から頑張れ」という制度ではありません。
「育ったあとに、ちゃんと返す」ための制度です。
歩合が“現実の数字”になるまでの一般的な流れ
多くの新卒ドクターは、次のような段階を踏みます。
- 入職〜数ヶ月
診療の流れを覚えるだけで精一杯。売上どころではない - 半年ほど
30〜60分枠で診療し、担当患者が少しずつ増える - 1年前後
月の売上が見え、「これが自分の数字かも」と感じ始める
この段階になって、初めて
歩合という言葉が“自分事”になる。
つまり歩合は
理解してから意味を持つものであって、
理解する前に比較するものではありません。
新卒が「固定45万 vs 固定30万+歩合」を比べるとき
新卒求人でよくあるのが、この2パターンです。
- 固定給45万円
- 固定給30万円+歩合
医院側としては、
「育てば歩合で同じくらい払う設計」のつもりかもしれません。
実際、結果的に45万円前後になるケースもあるでしょう。
しかし、新卒ドクターの頭の中ではこうなります。
歩合は分からない
→ 比較は「45万円 vs 30万円」
つまり
「固定30万円+歩合」は、実質“固定30万円の求人”として認識されるのです。
ここに、医院と新卒の意識のズレが生まれます。
- 医院:歩合で伸びる設計
- 新卒:歩合は見えないので固定給で判断
その結果、後者は
制度の良し悪し以前に、最初の時点で選ばれにくくなります。
それでも45万円を選びたくなる気持ちは、当然
正直に言えば、
「お金じゃない」と頭では分かっていても、
45万円と30万円を並べられたら、45万円を選びたくなる。
生活があります。
奨学金、引っ越し、将来への不安もあります。
新卒が金額で判断すること自体を、責める必要はありません。
同時に、多くの新卒ドクターは
こんな不安も感じています。
- 条件が良すぎて、後から下がらない?
- 試用期間は別条件じゃない?
- こんなにお給料が高いのって、何かあるのでは?
この感覚は、とても健全です。
実際によくある「高給提示の落とし穴」
新卒求人では、次のようなケースも少なくありません。
- 「月給50万円」とあるが → 試用期間6ヶ月は35万円
- 「50万円(交通費込み)」 → 実質の基本給はもっと低い
- 「固定給+歩合」とあるが → 歩合の条件が曖昧、または非常に遠い
嘘ではありません。
ただ、分かりにくいだけです。
だからこそ、高い数字を見たときほど
「その金額が、いつ・どの条件で続くのか」
を必ず確認する必要があります。
「固定30万円+歩合」の医院で必ず聞いてほしいこと
「固定30万円+歩合」という条件も、
設計がしっかりしていれば悪いものではありません。
問題は、歩合が
- いつ頃から
- どんな状態になれば
- どのくらい現実的に
つくのかが、見えないことです。
そこで、新卒ドクターには
そのまま使ってほしい質問があります。
面接での聞き方(そのまま使えます)
- 「新卒の先生は、入職してどのくらいで歩合がつき始めることが多いですか?」
- 「1年目の先生だと、固定給+いくらくらいになるケースが一般的ですか?」
- 「歩合がつくまでの目安となる診療スタイルや患者数はありますか?」
これに対して
具体的な時期や過去の例が出てくる医院は、
歩合が実際に機能している可能性が高い。
逆に
「人によります」「頑張り次第です」だけの場合は、
制度が曖昧なままの可能性もあります。
数字を見るなとは言わない。ただ「道筋」を見てほしい
新卒にとって
45万円と30万円の差は、とても大きいと思います。だから数字を見るのは、当然です。でも同時に、
- その金額がいつまで保証されるのか
- どうなったら次の段階に進めるのか
- 歩合が“絵に描いた餅”ではないか
この道筋だけは、必ず確認してほしいと思います。
歩合を見るとは、
「率を見ること」ではありません。
「いつ現実の金額になるかを見ること」です。
新卒ドクターの給与 Q&A
はい、まったく普通です。新卒はまだ売上を作った経験がなく、歩合が自分の行動とどう結びつくか想像できません。だから固定給だけを見るのは、合理的な判断です。
新卒の段階では歩合が現実の金額として見えないため、実質的に「45万円vs30万円」の比較になります。大切なのは、歩合がいつ頃から現実になるかです。
高い固定給=危険ではありませんが、条件の確認は必須です。試用期間中の給与、交通費込みかどうか、減額条件がないかは必ずチェックしましょう。
歩合が「いつ頃から」「どのくらいの売上で」「過去の新卒はどれくらいもらっていたか」を具体的に聞きましょう。目安を説明できる医院は制度が機能しています。
数字だけで決める必要はありませんが、道筋は必須です。固定給がいつまで続き、歩合がいつ現実の金額になるのか。その説明があるかを基準にしてください。
まとめ
新卒ドクターが歩合を理解できなくて、固定給しか見ないのは当然です。
ただし、
固定給の数字だけで決めてしまうと、後で後悔することもあります。
歩合は、焦って判断する制度ではありません。
分かるようになったときに、初めて効いてきます。
だから今は、
「固定給しか見ていない自分」を責めなくても大丈夫。その代わり、
歩合が“いつ現実になるのか”だけは、必ず確認してください。
それができれば、歩合は「不安な条件」ではなく、将来の選択肢に変わります。
