歯科衛生士コラム

歯科衛生士 オープニング・院内保育・担当制ってどうかな?

歯科衛生士 オープニング・院内保育・担当制ってどうかな?

歯科衛生士の求人はたくさん出ています。どこが自分に合っているのかわからなくなりますよね。色々な特徴がありますが、人にはそれぞれの個性があるように、その特徴が友達には合っていても自分に合うかどうかはわかりません。歯科衛生士さんと面談をしたときに「あそこの歯科医院は良くないって友達が言ってました」と言われることがあります。でも友達には合っていなくても、もしかしたらあなたには合うかもしれません。噂や口コミを参考にするのは良いですが、自分にはどうかをしっかり見極めるようにしましょう。

「オープニングスタッフ」ってどうなの?

「オープニングスタッフ募集」は相変わらず人気があるようです。しかし、このようなメリット・デメリットがあります。

・ すべてが新しくて綺麗。

・ スタッフ間で先輩後輩がなく、みんな同じ状態からのスタート。

・ 自分たちで色々ルールを決めながら、作り上げていける。

・ 院内で普通なら当たり前にある物品も無いことがあり、一から揃えていく必  

  要がある。

・ 教えてもらう人がいないので、自主的に動く必要がある。

・ 院長自身も初めての開業なので、経営・スタッフ管理に慣れていない。

「オープニング」というのは、みんなで一から作り上げていくことを喜びと感じる人には向いているでしょうが、 転職してすぐに通常の衛生士業務を始めたいと思っている人は面食らう事が多いと思います。 衛生士に必要な器具はもちろんですが、小さな文具や清掃用具すらオーダーして揃えて行くような段階ですからそのあたりは覚悟が必要かもしれません。

またわからないことがあった時に、誰かに聞いてすぐに解決するとは限りません。院長も含め全員が同じスタートラインに立っているため、「私に聞かれても、私もわからないわ!」と言われてしまうかもしれません。何とか解決策を探していこうとする人には向いていますが、なんでも人に聞いて教えてもらおうという人には向いていないかもしれません。

ただ、年齢や歯科衛生士としての経験年数は違えど、そこの医院での上下関係はありません。教育係のような人やお局的存在の人はいないでしょう。そういうところに魅力を感じる人に取ったら「オープニングスタッフ」というのは向いているでしょう。

以前、「オープニングスタッフ」として勤務が決まった衛生士さんからこのような話を聞いたことがあります。「昨日、院長は私たちにこういう風に言っていたのに、次の日には全然違う事言うから嫌になりました」と・・・

スタッフはもちろんですが、院長もまだその立場に慣れていないのは当たり前です。治療の事であれば自信をもって言えることも、院内の環境の事やスタッフ関係の事を言われても院長もまだまだ不慣れで確信的な答えを出すこともできない場合もあります。院長、スタッフ一丸となって新しい歯科医院を作り上げましょうという段階であることを覚悟しておきましょう。

「院内保育」って何?

院内保育とは、医師や看護師など病院で働く方の子どもを病院内の保育施設で保育することを言います。 企業等が働く従業員のために設置する企業内保育所の病院版で、従業員への福利厚生サービスの一環として病院が運営を行います。 院内保育所が作られた背景には、医師や看護師の24時間365日体制の働き方が大きく関係しています。

企業であれば9時~18時(休憩1時間)の8時間拘束というのが一般的に多いとは思うのですが、歯科医院は、9時~20時(休憩3時間)というところも以前は多く拘束時間が長いと敬遠されてきました。働く側としては、休憩は1時間で良いので早く終わりたいというところなのですが、患者さんの来院しやすい時間となると会社の仕事が終わる18時~20時というのは一番来院数の多い時間帯になるため院長としても診療をすべきとなり、それによって、患者数の少ないお昼の時間を休憩時間にすることで調整していました。

以上のような状況から、主婦や子育て中の衛生士さんは歯科医院では働きにくいということで、歯科衛生士の仕事を辞める人も増えていました。それが歯科衛生士の不足につながり大きな問題となっています。

同時に、「働き方改革」で、女性も働きやすい職場というものが注目されてきました。その一環として浮上したものが「院内保育」「企業内保育」です。歯科医院でも「院内保育」を設置しているところが増えつつあります。

院内に保育士を常駐させ、患者さんのお子様を預かると同時に、スタッフのお子さんを預かっているところもあります。 朝一緒に出勤して、帰りも一緒に帰ることができ、お昼はお子さんと一緒に食べたり、遊ぶことができるのです。 仕事の合間に顔を出すこともできますし、急な発熱にも対応でき、お母さんにもお子さんにも良い環境だと言えるでしょう。

以前、結婚したての衛生士さんをある歯科医院にご紹介したことがありました。数年後その方から以下のような嬉しいメールを頂きました。

「〇〇歯科を紹介して頂いて、妊娠・出産を経て又働く事が出来ています。○○歯科でなければ、子供が出来たら辞めるつもりでした。今では一緒に出勤して一緒に帰ることが出来て本当に感謝しています(^^)/」

このように子育てをしながらでも働ける環境はどんどん増えています。「結婚・出産=退職」ではなく、歯科衛生士という資格を活かして社会とつながっていて欲しいと思います。

やっぱり「担当制」がいいの?

まるで担当制でない歯科医院を悪い歯科医院のように「担当制が良い!」と言われる方がおられます。でもそこにもメリット・デメリットがあり、衛生士として働くあなた自身の環境によって担当制が良い場合もあれば、担当制でない方が良い場合もあります。

・ 患者さんとの信頼関係が深まる。

・ 自分の仕事に対して責任感も持てるし、やりがいも感じられる。

 

・ 急な休みがとりにくい。

・ パートだと日数が少ないので、患者さんのスケジュールに合わせられない。

以上のようなメリット・デメリットが考えられます。もちろん「担当制」の方が患者さんとの信頼関係は強くなるでしょうし、その分、責任感も感じられ、やりがいも感じられると思います。ただ、結婚をして、子育て中という方は、仕事だけに集中できないのが現状です。子供の急な発熱など休まなくてはいけない状況になったときに、「担当制」だと休みづらくなります。他の方が代わりに担当することも難しくなりますし、逆に予約日を変えてもらうのも申し訳ないという事になって、結局自分の首を絞めることになってしまいます。

以前担当した衛生士さんに「子供が小さく急に休むことも多くなるので、担当制ではないところがいいです。」と言われたことも実際ありました。なので、「担当制」が良い、悪いとは一概にいえないということです。自分自身のライフスタイルと相談して最適な働き方を選ばれることをお薦めします。

まとめ

こういうところはどうなのかな~といわれることをまとめてみました。女性は色々なライフプランによって働き方を変える必要も出てきます。せっかく手にした資格ですから、働き方を色々考えながら、仕事を続けてもらいたいと思います。

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